スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「扉は閉ざされたまま」 石持浅海

僕の好きなドラマに「古畑任三郎」があります。 最初に犯人が分かっていて、だんだんと古畑警部に追い詰められていく様子がとても面白いです。 兄弟で見終わったあとに「古畑の前で犯罪をするのだけはやめておこう」などと話していました。 ドラマではこのタ…

「A マスコミが報道しなかったオウムの素顔」 森達也

本書の紹介は正直すごく難しい。内容が内容なだけに筆者も相当苦しんだみたいだ。苦しみの詳細は本書のいたるところで表されている。 著者はオウムの中から世間を見つめるというテーマでドキュメント映画を作っている。本書はその書籍版だ。 それらはオウム…

「水族館ガール」 木宮条太郎

水族館って良いですよね。 落ち着いた雰囲気に涼しい空気。でっかい蟹やマンボウの迫力、クラゲが作る幻想的な世界もとても良いですね。 僕は亀が大好きで亀が泳いでいてお腹を見せてくれたり、触ってもよかったりするとその場から動けなくなってしまいます…

「雪の鉄樹」 遠田潤子

本書(文庫版)の発売は2016年の4月だった。 それから一年後口コミがあったのかそれとも出版社の努力なのか大ヒットとなった。 僕はその時書店員で本書を必死に並べては売って補充の注文を出してという日々を過ごしていた。 本書を買う人は主にお母様がたば…

「重力ピエロ」 伊坂幸太郎

「春が二階から落ちてきた」で始まる本書は伊坂作品の中では珍しい書き方をしている。 語り手は一人だし、特段驚けるトリックも使っていない。 伊坂幸太郎は伏線の魔術師とも言われるが、本書では控えめにしているように感じる。 ただやっぱり伊坂作品は初期…

「億男」 川村元気

初対面の人と話すときはとても緊張しますが、何とか会話を繋げようとすることがあります。 その時に「三億円当たったらどうする?」と聞くとなかなか盛り上がりその人のことを少し知った気持ちになります。 みんな答えが違っていて(貯金と言う人が多い)面…

日本を代表する二人の名探偵について考えた

後半にちょっと「ハードボイルド・エッグ」 荻原浩 ちょっと思うところがあって日本を代表する二人の名探偵について書かせていただきます。とても長い上に本の話は短いです。それでもお付き合いいただけたら幸いです。 どちらもマンガ原作なのですが、一人は…

「ステーキ屋 松」に行ってきました。

「肉小説集」 坂木司 最近三鷹に「ステーキ屋 松」というお店がオープンしたという情報を手に入れたので、食べに行きました。 肉好きを自負しているからには避けられないです。 並んでいる時からいい匂いがするので、間違いなく美味しいだろうと思うとニヤニ…

「リハーサル」 五十嵐貴久

リカシリーズの第四作目です。 もう怖くて、でも面白くて一日で読み終えました。 タイプとしては一作目に似ています。やばいストーカー女・リカを存分に楽しめました。 急に泣き出したり、意味不明な言葉を繰り返したりと実際にいたらめっちゃ怖い女ですね。…

「いま、会いにゆきます」 市川拓司

梅雨が近いと思うとちょっと憂鬱です。僕は偏頭痛持ちで、雨の日は特に頭痛がひどい気がします。 何かいい対策があったら教えてほしいです。僕にできるお返しは本の紹介をもっと頑張ることくらいですが。 ちょっと強引な繋げ方ですが、雨に関係ある本といえ…

天才外科医のライバルについて

「Dr.キリコ 白い死神」 sanorin 全5巻 原作・手塚治虫 脚本・藤澤勇希 今回はマンガの紹介です。 僕は日本を代表するマンガは手塚治虫さんの「ブラックジャック」だと思っています。 医師免許をもたず、一度の手術に法外な金をとるが、手術の腕は日本一、…

「君にささやかな奇蹟を」 宇山圭佑

宇山圭佑さんは稀代の恋愛ストーリーテラーだ。 脚本家としても有名だが、小説は普通の感覚が冴え渡り突飛な設定でも共感できるものに仕上げていると思うのだ。 僕は恋愛小説が好きでたくさんの作家さんの多種多様なものを読んできた。 タイムスリップやよみ…

「槐」 月村了衛

突然ですが、僕の好きな映画の一つにバトルロワイアルがあります。キャストの良さと主題歌の良さが際立っています。特に塚本高史がかっこいいのです。 ただ、原作はまだ読んでいないのでいつか読みたいと思っています。 なぜ、この話をしたかと言うと「槐(…

「チルドレン」 伊坂幸太郎

僕は小学校の教員免許を持っていて、今までに色々な子や親御さんに面白い小説の話をしてきました。 (勝手にではありますが、司書の先生と仲良くなり、図書室の番人みたいなことをしていました。) もちろん相手の興味に合わせておすすめしますが、本書をす…

電車男は一世を風靡した。

最初にちょっと昔の話を。 僕の初デートは「電車男」の映画だった。同じバイト先の女の子を誘って奇跡的にオッケーをもらえたのだ。 館内の待ち時間では映画の主題歌である、ORANGE RANGEの「ラプパレード」が延々と流れていた。 いざ、上映。電車男がエルメ…

いつかは語りたかった心霊について

ちょっとだけ 「禁忌装置」 長江俊和 今回はとても長い上に本の話は最後です。 ですが、お付き合いいただけたら幸いです。むしろどこかで何か感じる部分があるかと思うので語り合いたいです。 おかしなことをたくさん言いますが、あなたはそー考えてるのね。…

「NNNからの使者 猫だけが知っている」 矢崎存美

これぞ猫好きの人が買わされてしまう小説。 もう読んでるときはニヤニヤしっぱなしで外で読むのを控えたほど楽しかった! 随所に遊び心があって、 まずはNNNの読み方。これはねこねこネットワークとも読むが、ぬこぬこネットワークとも読む。 なにがぬこぬこ…

「ブルーマーダー」 誉田哲也

相変わらずドラマのストロベリーナイトが面白いですね。ただちょっと思うところがあって本音で語ります。 前作のキャストの方が良かった! 姫川は竹内結子の方がカッコよかったです。二階堂ふみだとかわいさが勝ってしまう。 ガンテツが江口洋介ではカッコよ…

「震える牛」 相葉英雄

本書は僕の中でタイトルに惹きつけられた小説ランキング第一位です。 現実で起きた事件の規模が大きいぶん書籍化が難しかったのだろうか、BSEの問題を扱った小説は本書しかないように思います。 BSEの問題が起きた時、僕は小学生でこのニュースに全く興味が…

「盤上に死を描く」 井上ねこ

これは絶対に猫小説じゃないよなと思いながらもつい手にとってしまうのは悪い癖だ。筆者の名前にねことあるだけでふにゃあとなってしまう。 しかし、表紙に将棋の駒があるのも気になって手にとった。 将棋は駒の動かし方を知っている程度だが、囲碁よりかは…

僕のグルメ本

「妖怪アパートの幽雅な日常」 香月日輪 本書は学校の図書室に置かれがち。 さわやかだけじゃない若者の複雑な心境も扱うところが妙な味を出している。 主人公の夕士は進学にあたり妖怪アパートに住むことになった。 そこでは妖怪や除霊師たちとの生活を共に…

ブログを開設して一カ月の挨拶

「向日葵の咲かない夏」 道尾秀介 一日一冊ブログに書くと決めて早一カ月が経ちました。 今まで読んできてくれた方、初めて読んでくれた方、深く感謝致します。 これからも頑張ります。まだまだストックはありますし、一日一冊読んだとしても全ての名著とは…

「傍聞き」 長岡弘樹

GWが終わって久しぶりの勤務に疲れたのかカゼをひいてしまいました。 そんな時に職場の近くで安くて美味しいカレー屋さんを発見して、思う存分にスパイスを体に取り入れて元気になりました。 でもやっぱりカレーは実家のが一番だなぁと思いながら本書を思い…

ビジネス書の読み方について

「『いい質問』が人を動かす」 谷原誠 今回は僕が実践しているビジネス書の読み方を中心にお話しできればと思います。 ビジネス書とは自己啓発書やお金の増やし方、働き方や専門書のことだと考えて書いています。 そんなこと知ってるし、やってるよという人…

児童向け文庫にも名作は山ほどあります。

「きみにしか聞こえない」 乙一 僕は小学校では「ズッコケ三人組」を中学校では「星新一」を高校では「ブラックジャック」を授業中に読み続けるなどして本に親しんできました。先生にはご迷惑をおかけしました。すみませんでした。 図書室や学級文庫にはたく…

「試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。」 尾形真理子

春といえば出会い。出会いといえば恋ですね。 僕のタイプの女性は猫みたいな人です。興味ない方、三段落目に飛んでください(笑) それは完全に実家で飼っていた猫の影響です。 飼っていた黒猫の名前は「くま」と言います。 くまとの生活は仲良いと思ったら…

「リターン」 五十嵐貴久

「リカシリーズ」の追記です。 こちらでは本書で一番怖かったところを中心に紹介させていただきます。 舞台は八王子市の高尾や阿佐ヶ谷、高円寺などの中央線沿い。 主人公はコールドケース捜査班の女刑事。 冒頭、高尾で死体が見つかった事件の捜査会議が西…

「リカ」シリーズ 五十嵐貴久

僕が読書好きになったきっかけの一つとして父が寝る前に怖い話しをしてくれたということがあります。 お墓を漁って骨を食べる老婆の話しは何度も聞きました。当時は毎度新鮮に怖がっていました。父にとってはいいお客様でしたね。 そんな父のおかげで幽霊や…

「ぜったい人に嫌われない技術」 内藤宣人

ようやく大型連休もおわりですね。 僕は今の本に囲まれている職場は好きなので休みが終わって嬉しいです。(本音ですよ。) でも仕事が嫌だったり、会いたくない人がいたりと憂うつな人もいることかと思います。 今回は新しい人間関係が築かれつつあるこの時…

僕が思う良い警察小説について

「臨場」 横山秀夫 僕はあまり警察小説は得意な方ではない。 加賀恭一郎シリーズは3作くらいしか読んでないし、十津川警部シリーズは1つしか読んでいない。 ちょっと自己分析してみると、トリックを使ったりアリバイ工作したりしてまで、殺人をしたいことに…