スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

天才外科医のライバルについて

「Dr.キリコ 白い死神」 sanorin   全5巻

原作・手塚治虫  脚本・藤澤勇希

今回はマンガの紹介です。

 

僕は日本を代表するマンガは手塚治虫さんの「ブラックジャック」だと思っています。

医師免許をもたず、一度の手術に法外な金をとるが、手術の腕は日本一、通称「ブラックジャック」が手術したり、しなかったりするマンガです。

時に手術代をただにするので、いい人のように描いていますが僕は彼を本物の悪人だと思っています。

まず、無免許での手術は犯罪ですし、時には依頼人を見殺しにします。

そんな彼が人を助ける時、しかもそれがお金以外の見返りの時、どんな動機で動いているのかを考えるのがとても楽しいです。

また、彼の本当にしたいことは何なのか。明らかになっている部分もありますが、まだ描き切れてはいないと思うのです。

彼の持つ謎を解くためにか今までさまざまな作家さんが「ブラックジャック」を書いてきました。

しかし、まだまだ彼は謎を残していそうなので本当に魅力的な男です。

ちなみに彼の手術での凄みは縫合が並外れて速いことにあると思うのですが、ちゃんとは言及されていませんね。

 

前置きが長くなりましたが、キリコはブラックジャックのライバル的な立ち位置として登場したキャラクターです。

医師免許はあるものの、法律で禁じられている安楽死を行うのでキリコも悪人です(笑)

法で裁かれるとしたら殺人になると思います。

キリコは元軍医で戦地での医療を続けてきましたが、そこで時には治すよりも楽に死なせてあげることが喜ばれることを知ります。

今では患者にする人の条件を満たせば施術してくれるので、引く手数多の名医です。

キリコも患者から大金を取りますが彼の患者は保険金が出ることが多いので、ブラックジャックよりかは良心的なお値段です。

あとキリコは治る見込みのない人しかお客さんにしないので、まずは助かる方法はないのかを探ります。その徹底したポリシーを感じるシーンがとても好きです。

 

手塚治虫さんが描く「ブラックジャック」ではたびたび登場しては安楽死させる寸前でブラックジャックに止められ施術の機会を奪われます。

それを気の毒に思っていましたが、本書にはブラックジャックは出てこないのでそこは安心して読めます^_^

キリコの信条はブラックジャックよりかは分かりやすいですが、本書のシリーズでは良い人寄りに表現されすぎていると思います。悪い人がときどき良いことをする、その時にものすごい感動するのですが。

前置きが長かったせいですが、まだまだキリコの魅力は語り切れませんでした。またいつかブログで書くことになるかもしれません。

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