ブログを開設して一カ月の挨拶
「向日葵の咲かない夏」 道尾秀介
一日一冊ブログに書くと決めて早一カ月が経ちました。
今まで読んできてくれた方、初めて読んでくれた方、深く感謝致します。
これからも頑張ります。まだまだストックはありますし、一日一冊読んだとしても全ての名著とは出会えないと思っています。
たまにでいいので覗いてみてください。皆さまの知っている本や興味ある本が紹介されているかもしれません。
読んだ感想や皆さまのおすすめの本など何でもいいのでコメントいただけると嬉しいです。
さて今回は初の試みです。
勝手に作ったマイルールとしておすすめしてきた本はどれも僕が最高に面白かった本について書いています。
ですが今回は最高に気持ち悪かった本について書きます。
とっても面白くなかった本ですが、読んだことがある方、これから読もうと思っている方に一石を投じることができたらと思います。
本書は本格ミステリ大賞の候補になるなど評価は高い。事実僕がよく行く書店では文庫本売上ランキングの一位だった。一位のものが欲しくなってしまうのは僕の悪い癖。
読み始めてみるとなんと気持ちの悪いこと。
死んだS君が姿を変え、主人公の前に現れては「僕は殺されたんだ。」と訴える。主人公は彼の無念を晴らそうとするというストーリー。
だが、ここで気持ち悪いのは蘇りよりもS君という名前のセンス。ちゃんと名前で呼んであげてや。
他にも文中に〈お前が□□□□□□□って〉とある。
その□の部分は耳に入ってこなかったともあるが、そんなわけないだろって思った。
人のせりふに□を使う小説に出会ったのは初めてだ。
ミステリーでやっていいぼかし方ではない。
さらに主人公にも秘密があって………
全体的にミステリとしてやってはいけないというより下手な真相の隠し方をするのだ。
それでいて謎が解けたときですら気持ち悪い。しかも気持ち悪いまま終わる。
あぁ気持ち悪い。
この作品が好きな人は驚きたい人かな。驚きは間違いなくあった。
もう限界だ。本を閉じてしまおうと何度も思ったが、最後まで読むことができた。
ハッピーエンドに期待したことも一因だが、道尾さんの筆力の高さのせいもあるだろう。
今なおなぜか記憶に焼きつくこの作品は名著と言えるのかもしれない。
追。
あと一作だけチャンスをあげようという上から目線で道尾作品の「背の眼」を読んだところ僕の中で大ヒット。
他にも「シャドウ」「龍神の雨」「ラットマン」など、名著を多数発見することができました。
今では道尾秀介さんの文庫本が出たら必ず買うようにしています。
どれもそれなりに気持ち悪いですが、中毒性があって抜けられなくさせられているのかもしれません。