スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

「デッドウォーター」 永瀬隼介

本書は以前に紹介した『19歳 一家四人惨殺犯の告白』の続編とも言える内容です。 そんなわけで『19歳〜』の復習です。 『19歳〜』は死刑囚の正体に迫ったノンフィクションでした。著者の永瀬さんは獄中インタビューや手紙で犯人の心情を明かしていくものの最…

「神様からひと言」 荻原浩

僕の中でお仕事小説と言えばこれです。 荻原浩さんは元会社員で元コピーライターとだけあって言葉の使い方と会社にいそうな人の描き方がお見事です。 本書ではそんな荻原浩さんがたどっていた道を深く味わうことができます。 というよりかは荻原浩さんが会社…

海といえばこの小説!

今週のお題「海」 「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? 」 原作 岩井俊二 著 大根仁 本書は2017年にアニメ映画化したもののノベライズ版です。どうしても映画やその原作となったドラマの「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? 」の話を避けて…

「奇妙にこわい話」 阿刀田高・選

本書は奇妙にこわい話を公募して集め、阿刀田高さんが選んだ短編集となっている。 僕はこの手の短編集が大好きで、星新一さんが集めた「ショートショートの広場」シリーズも大好きだ。 これらの本で特に面白いのは最後についている選評だ。 この話は何点とか…

「ゴールデンスランバー」 伊坂幸太郎

今週のお題「わたしの好きな歌」 ゴールデンスランバーは訳すと黄金の眠りという意味です。伊坂幸太郎さんが好きそうな言葉ですね。このタイトルでビートルズが歌っています。 堺雅人さんが主演で映画化もされたことで有名な小説です。主題歌には斉藤和義さ…

小説の人物に恋をしました。

「ソロモンの犬」 道尾秀介 今までにたくさんの本を読み、数多くの女性に出会ってきましたが、本気で好きになったのは本書に出てくる羽住智佳だけでした。と言うと気持ち悪がられるかもしれませんが、本書はミステリー小説にもかかわらず、羽住に恋をした僕…

「誓約」 薬丸岳

友だちからこの本をもらって読み始めました。 なんで薬丸岳さんとは初めましてでしたが、最高の1冊とはなりませんでした。 主人公は家庭も仕事も順風満帆な日々を過ごしていた向井という男。 男のもとに1通の手紙が届く。「あの男たちは刑務所から出ています…

祝!100作目は遠藤周作さんで!!

「十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。」 一日一冊についてブログに書くということを始めて三ヶ月がたちました。転職してから三ヶ月ということでもあります。 いつも読んでくださっている方には本当に感謝してい…

密室と聞くとドキドキしませんか?

「櫻子さんの足元には死体が埋まっている」 太田詩織 今までに密室が出てくるミステリーをたくさん読みましたが、本書では密室殺人を強く否定していたので印象に残っています。 密室殺人を扱う小説は数多くありますが、その多くが飛行機内や孤島など巨大な密…

「これは経費で落ちません!②」 青木裕子

このシリーズは今5巻まで出ています。 漫画化されたことは知っていたもののドラマ化も決定したとの情報を入手しました。 主人公の森若さん(27才)は経理部で真面目に働く女の子で、不正は絶対に許さない!という正義感は無く帳簿さえ合っていれば見逃すかわ…

「イン・ザ・プール」 奥田英朗

僕には一時期カウンセラーになろうと本気で勉強していた時期があり、実際にカウンセラー養成学校に通っていたことがあります。 途中で「カウンセラーとは生き方のことで職業のことではない!」と考え(かっこいいことを言いたかっただけで実際には色んな理由…

徹底的な上から目線が心地いい

「新・魔法のコンパス」 西野亮廣 敬愛する西野先生の本をようやく読むことができました。最近の活躍はめまぐるしいものがありお忙しい中、僕たちのために執筆してくれたこと、本当に感謝いたします。 本書は最後まで口語調の文章で書かれていて先生と会話で…

「スノーホワイト」 森川智喜

本書は以前に紹介した「キャットフード」のシリーズものです。 なのでまた三途川理(さんずのかわことわり)がでてきます。 彼は一言で言うと極悪人です。 論理的思考力がずば抜けて高いが、自分の名を上げる為には殺人もいとわない僕が見た中で最悪の探偵で…

「老後の資金がありません」 垣谷美雨

皆さまは老後の資金は貯めていますか? 僕はまだ貯められていません。考えたこともないくらいです。 年金制度に頼りたいという気持ちは薄いものの全くもらえないのは嫌です。 まだ僕のまわりには備えていない人の方が多い気がするのですが、それは僕がまだ世…

「ありがとう、さようなら」 瀬尾まいこ

僕の親族に中学校の先生がいることと僕自身が小学校で働いていたことがあって、とても身近な内容のエッセイ集だと感じました。 僕がエッセイを読むのは珍しいのですが、一日で読むことができて、全ての話が最高に面白かったのは初めてです。 本書は瀬尾まい…

「俺、猫だけど夏目さんを探しています。」 白野こねこ

写真が残っていたら公開したかったのですが、実家で飼っていた黒猫のくまは世界一美しい猫でした。 長い睫毛と切れ長の目、人を寄せ付けない雰囲気を持ちつつも寒い時は甘えてくるツンデレさんでもありました。 それに加え、胸元と足の付け根に白い毛が生え…

「ニャーロック・ニャームズの名推理」 ヒロモト

「名探偵はタマネギをかじる」 最近読んだ猫小説の中でトップクラスに面白かったです。 何より良かったのはギャグが至る所に挿入されているところでした。 僕は本の影響を受けやすいので、ここからは本文中にも出てくるギャグを使って書きたいと思いニャす。…

「ON 猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子」 内藤了

波瑠さんを主演にドラマ化もしましたね。 ドラマの初回で凄惨なシーンを流したとしてBPO(放送倫理番組向上機構)から注意されたのが記憶に新しいです。 確かに凄惨なシーンでしたが、事件の異常性をテーマにするのには効果的すぎました。 奇妙で凄惨な自死…

「ざんねんないきもの辞典」 今泉忠明・監修

今大人気のざんねんないきものシリーズ第一弾です。 生き物の残念な生態とコミカルな絵が最後まで楽しく、大人の方でも楽しめる一冊だと思います。 唯一の弱点は書店では児童書コーナーに置いてあることですかね。 ちょっと立ち読みしてニヤケてしまうと、周…

「悪魔のいる天国」 星新一

タイトルがとても良いですね。 矛盾したタイトルですが、星新一さんの手にかかれば素敵な話が生まれそうな気がします。 今回は本書の中から二つの話をネタバレ全開で紹介したいと思います。 一つ目の話はできるだけ本文の言葉を使います。 「宇宙のキツネ」 …

星新一さんについて

星新一さんはショートショート(以下、SSと書きます。)小説の第一人者で、SF界の重鎮です。 僕の読書生活に大きな影響を与えてくれた方でもあります。 読み始めたきっかけは姉が集めていたからと単純ですが、一度ハマってからはすごかったです。 四六時中星…

絶対におすすめできない恋愛小説

「リケコイ」 喜多喜久 この表紙に一目惚れして買ってしまった一冊。 表紙だけでものすごい数の期待感が高まる情報があったのだ。 まずタイトル、「リケコイ」は石持浅海ばりの人の恋路を論理的に解明しそうな知性がある。 筆者の喜多喜久はこのミステリーが…

石田衣良さんについて

「1ポンドの悲しみ」 石田衣良 石田衣良さんは「IWGP(池袋ウエストゲートパーク)」シリーズで有名な作家です。 若者や女性を中心に人気があるような気がします。 しかし、僕は石田衣良さんの本を十作以上は読んでいますが、あまり良い印象を抱けずにいたと…

「崩れる」 貫井徳郎

副題「結婚にまつわる八つの風景」 本書は結婚をテーマにしたダークな話を集めたミステリー短編集となっている。 怖い話が続くから本書のせいで僕の婚期が一年は遅れてしまった。 もし本書が大ヒットしていたら、少子化がますます進むことになるだろう! と…

小ばなしのタネ3選

今回は本の紹介というよりかは雑談のための本について書きます。皆さまにもぜひ使って欲しいです。 ①「動物キャラナビ」 大人気の占い本シリーズ。 すべての人は生年月日さえあれば、12種類の動物にタイプ分けすることができます。 ペガサスは動物じゃないと…

「容疑者Xの献身」 東野圭吾

以前に「ソウルケイジ」でも本書について少し触れましたが、やはり単独で書くべき作品だなと思いました。 本書は東野圭吾さんの最大級のヒット作で映画化もしています。 映画での福山雅治VS堤真一&松雪泰子は観ててどっちを応援したらいいのか分からなくなる…

途中で読めなくなったしまった小説3選

主に③の「君の名は」についてが書きたかったことです。 皆さまの知恵と経験をお借りしたいので、コメントをお待ちしています。 ①「海辺のカフカ」 村上春樹 読書好きを自負するのならば村上春樹さんの小説を読まなければいけない!という使命感がありました…

「ズッコケ中年三人組 age43」 那須正幹

遂に僕が最もすごいと思ったミステリーの紹介です。 本書は年に数回しか推理しない僕を夢中にさせ、仕事中ずっとついて考えていたくらいにハマりました。 何度読んでも面白く、そういえばこの三人組は小学生の頃からたくさんの事件に巻き込まれていたなぁと…

「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」 作・浜田秀哉 ノベライズ・百瀬しのぶ

本書は学校にスクールロイヤー制度を導入し、弁護士の田口が奮闘するというもの。 大テーマとして、いじめ問題を法律で解決するというのがあったと思うが、しっかりと表現できていなかった部分は否めない。 というのも敵は強大すぎる上に問題は複雑だからだ…

「天才はあきらめた」 山里亮太

山里亮太さん結婚おめでとうございます 僕はいち早く彼がモテ男であることを知っていたので、メディアで美女と野獣みたいな扱いがおかしいと思っています。 過去のテレビで女性を誘うメール術の先生を務めていた山里亮太さん。 誘うときは「来週の金曜日、映…