スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

ミステリー

「デッドウォーター」 永瀬隼介

本書は以前に紹介した『19歳 一家四人惨殺犯の告白』の続編とも言える内容です。 そんなわけで『19歳〜』の復習です。 『19歳〜』は死刑囚の正体に迫ったノンフィクションでした。著者の永瀬さんは獄中インタビューや手紙で犯人の心情を明かしていくものの最…

「ゴールデンスランバー」 伊坂幸太郎

今週のお題「わたしの好きな歌」 ゴールデンスランバーは訳すと黄金の眠りという意味です。伊坂幸太郎さんが好きそうな言葉ですね。このタイトルでビートルズが歌っています。 堺雅人さんが主演で映画化もされたことで有名な小説です。主題歌には斉藤和義さ…

小説の人物に恋をしました。

「ソロモンの犬」 道尾秀介 今までにたくさんの本を読み、数多くの女性に出会ってきましたが、本気で好きになったのは本書に出てくる羽住智佳だけでした。と言うと気持ち悪がられるかもしれませんが、本書はミステリー小説にもかかわらず、羽住に恋をした僕…

「誓約」 薬丸岳

友だちからこの本をもらって読み始めました。 なんで薬丸岳さんとは初めましてでしたが、最高の1冊とはなりませんでした。 主人公は家庭も仕事も順風満帆な日々を過ごしていた向井という男。 男のもとに1通の手紙が届く。「あの男たちは刑務所から出ています…

密室と聞くとドキドキしませんか?

「櫻子さんの足元には死体が埋まっている」 太田詩織 今までに密室が出てくるミステリーをたくさん読みましたが、本書では密室殺人を強く否定していたので印象に残っています。 密室殺人を扱う小説は数多くありますが、その多くが飛行機内や孤島など巨大な密…

「スノーホワイト」 森川智喜

本書は以前に紹介した「キャットフード」のシリーズものです。 なのでまた三途川理(さんずのかわことわり)がでてきます。 彼は一言で言うと極悪人です。 論理的思考力がずば抜けて高いが、自分の名を上げる為には殺人もいとわない僕が見た中で最悪の探偵で…

「老後の資金がありません」 垣谷美雨

皆さまは老後の資金は貯めていますか? 僕はまだ貯められていません。考えたこともないくらいです。 年金制度に頼りたいという気持ちは薄いものの全くもらえないのは嫌です。 まだ僕のまわりには備えていない人の方が多い気がするのですが、それは僕がまだ世…

「ニャーロック・ニャームズの名推理」 ヒロモト

「名探偵はタマネギをかじる」 最近読んだ猫小説の中でトップクラスに面白かったです。 何より良かったのはギャグが至る所に挿入されているところでした。 僕は本の影響を受けやすいので、ここからは本文中にも出てくるギャグを使って書きたいと思いニャす。…

「ON 猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子」 内藤了

波瑠さんを主演にドラマ化もしましたね。 ドラマの初回で凄惨なシーンを流したとしてBPO(放送倫理番組向上機構)から注意されたのが記憶に新しいです。 確かに凄惨なシーンでしたが、事件の異常性をテーマにするのには効果的すぎました。 奇妙で凄惨な自死…

「崩れる」 貫井徳郎

副題「結婚にまつわる八つの風景」 本書は結婚をテーマにしたダークな話を集めたミステリー短編集となっている。 怖い話が続くから本書のせいで僕の婚期が一年は遅れてしまった。 もし本書が大ヒットしていたら、少子化がますます進むことになるだろう! と…

「容疑者Xの献身」 東野圭吾

以前に「ソウルケイジ」でも本書について少し触れましたが、やはり単独で書くべき作品だなと思いました。 本書は東野圭吾さんの最大級のヒット作で映画化もしています。 映画での福山雅治VS堤真一&松雪泰子は観ててどっちを応援したらいいのか分からなくなる…

「ズッコケ中年三人組 age43」 那須正幹

遂に僕が最もすごいと思ったミステリーの紹介です。 本書は年に数回しか推理しない僕を夢中にさせ、仕事中ずっとついて考えていたくらいにハマりました。 何度読んでも面白く、そういえばこの三人組は小学生の頃からたくさんの事件に巻き込まれていたなぁと…

「狼と兎のゲーム」 我孫子武丸

今週のお題「おとうさん」 我孫子武丸さんは「殺戮にいたる病」やゲームの脚本を務めた「かまいたちの夜」などが有名ですね。 本格ミステリだけでなく「人形シリーズ」では保育士と腹話術師の恋も書けるし、「速水三兄弟シリーズ」はコメディ色の強いミステ…

「動機」 横山秀夫 ②

以前に書いた「小説のジャンル分け」でも紹介しましたが、全然足りなかったなと思ったので、改めて書きます。 今回は初の試みとして一つ一つについて書いてみようと思います。 「動機」 警察署内で警察手帳が盗まれる話。 本書が発行されたのは2000年だが、…

小説のジャンル分け

「動機」 横山秀夫 ① 今回はそんなこと考えなくていいのにと思われそうな、退屈かもしれない話しを延々と続けますが、僕にとっては大切で大真面目に行なっていることを紹介させていただきます。 小説のジャンルについてです。 自分自身の傾向を知ることは未…

ブログを開設して二ヶ月の挨拶と節目の時の道尾秀介

「シャドウ」 道尾秀介 一日一冊本の紹介をするというブログを書き始めて二ヶ月が経ちました。 友だちからは「バカじゃないの、三日に一冊にしなよ。」などと言われましたが、体力の続く限りと書いてしまったこともあってさらに続けていこうと思っています。…

ブックカフェに行ってきました。

今週のお題「家で飲む」 「珈琲店タレーランの事件簿」 岡崎琢磨 副題 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を 最近、新宿のブックカフェに行ってきました。 珈琲が美味しいことに加え本と音楽に寄せられた人たちでにぎやかな雰囲気を作っていました。 内装は…

「体育館の殺人」 青崎有吾

学校には沢山の思い出が詰まっていて、本書のような学校を舞台にした小説は大好きです。 学生気分を味わうため、僕の頭の中で本文中の地味めなキャラに憑依するか、クラスメートAとして主人公の近くにいるとかして楽しんでいます。 本書では幽霊卓球部員に…

「告白」 湊かなえ

多数の映像化作品を持つ湊かなえさんは今や大御所の小説家といって間違いないのだろうと思う。 ただ、僕は読まず嫌いなのにも関わらず湊かなえさんの小説を避けてしまっていた。 実際本書を読んだのは映画化から数年後だった。 そして後悔した。もっと早く読…

東野圭吾さんとビートルズ

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」 東野圭吾 僕は東野圭吾さんにちょっと苦手意識があって、本書で東野圭吾さんとは数年ぶりの再会でした。 苦手意識の原因は明確で殺人事件の犯人を教えずに終わる小説があったからです。 これには怒りで数日間ぷんぷんしてしまいまし…

「キサラギ」 原作・古沢良太 ノベライズ・相田冬二

今週のお題「アイドルをつづる」 僕は今、はてなブログというところでブログを書かせていただいています。 そこでお題を募集していて、それがちょうど書きたい内容と一致していたので今回はアイドルが出てくる小説について書きます。 初めてのノベライズ本の…

「扉は閉ざされたまま」 石持浅海

僕の好きなドラマに「古畑任三郎」があります。 最初に犯人が分かっていて、だんだんと古畑警部に追い詰められていく様子がとても面白いです。 兄弟で見終わったあとに「古畑の前で犯罪をするのだけはやめておこう」などと話していました。 ドラマではこのタ…

「雪の鉄樹」 遠田潤子

本書(文庫版)の発売は2016年の4月だった。 それから一年後口コミがあったのかそれとも出版社の努力なのか大ヒットとなった。 僕はその時書店員で本書を必死に並べては売って補充の注文を出してという日々を過ごしていた。 本書を買う人は主にお母様がたば…

「重力ピエロ」 伊坂幸太郎

「春が二階から落ちてきた」で始まる本書は伊坂作品の中では珍しい書き方をしている。 語り手は一人だし、特段驚けるトリックも使っていない。 伊坂幸太郎は伏線の魔術師とも言われるが、本書では控えめにしているように感じる。 ただやっぱり伊坂作品は初期…

日本を代表する二人の名探偵について考えた

後半にちょっと「ハードボイルド・エッグ」 荻原浩 ちょっと思うところがあって日本を代表する二人の名探偵について書かせていただきます。とても長い上に本の話は短いです。それでもお付き合いいただけたら幸いです。 どちらもマンガ原作なのですが、一人は…

「ステーキ屋 松」に行ってきました。

「肉小説集」 坂木司 最近三鷹に「ステーキ屋 松」というお店がオープンしたという情報を手に入れたので、食べに行きました。 肉好きを自負しているからには避けられないです。 並んでいる時からいい匂いがするので、間違いなく美味しいだろうと思うとニヤニ…

「リハーサル」 五十嵐貴久

リカシリーズの第四作目です。 もう怖くて、でも面白くて一日で読み終えました。 タイプとしては一作目に似ています。やばいストーカー女・リカを存分に楽しめました。 急に泣き出したり、意味不明な言葉を繰り返したりと実際にいたらめっちゃ怖い女ですね。…

「槐」 月村了衛

突然ですが、僕の好きな映画の一つにバトルロワイアルがあります。キャストの良さと主題歌の良さが際立っています。特に塚本高史がかっこいいのです。 ただ、原作はまだ読んでいないのでいつか読みたいと思っています。 なぜ、この話をしたかと言うと「槐(…

「ブルーマーダー」 誉田哲也

相変わらずドラマのストロベリーナイトが面白いですね。ただちょっと思うところがあって本音で語ります。 前作のキャストの方が良かった! 姫川は竹内結子の方がカッコよかったです。二階堂ふみだとかわいさが勝ってしまう。 ガンテツが江口洋介ではカッコよ…

「震える牛」 相葉英雄

本書は僕の中でタイトルに惹きつけられた小説ランキング第一位です。 現実で起きた事件の規模が大きいぶん書籍化が難しかったのだろうか、BSEの問題を扱った小説は本書しかないように思います。 BSEの問題が起きた時、僕は小学生でこのニュースに全く興味が…