「体育館の殺人」 青崎有吾
学校には沢山の思い出が詰まっていて、本書のような学校を舞台にした小説は大好きです。
学生気分を味わうため、僕の頭の中で本文中の地味めなキャラに憑依するか、クラスメートAとして主人公の近くにいるとかして楽しんでいます。
本書では幽霊卓球部員になり、本書の愉快な仲間たちを眺めていました(幽霊になって上から俯瞰で覗いているイメージです)。
物語に入り込める小説はとても面白いです。人が死ななかったら尚良かったのですが。
ちなみに僕の学校生活で楽しかったことは昼休みにサッカーをしていたことです。下手でしたが必死にボールを追いかけていました。
辛かったのは、たくさんありすぎて文字数制限に引っかかりそうですが、自分の滑舌の悪さに気づいておらず、毎日のように何言ってるかわからないと言われたことですかね(泣)
今はトレーニングの成果か、ジャスチャーで何でも伝えられるようになりました(笑)
ジェスチャーは冗談ですよ。念のため書いておきます。
本書では体育館が創り出す密室の謎にやばい探偵、裏染天馬が挑む!
彼はアニメオタクで学校で一番の秀才。学校に住んでいるという、変人でもある。
彼の人をバカにしたような態度はちょっと嫌だったが、10万円の報酬で謎を解くというのだから実に探偵らしい。
彼の態度もキレているが、推理もとてもきれている。
一本の傘が重要な役割を果たすのだが、その傘についての推理がものすごかった。
まるで事件の瞬間を見てきたかのように話す探偵の鋭い論理展開には度肝を抜かされてしまった。
本書は鮎川哲也賞を受賞しているので、本格ミステリが好きな方にはピッタリだと思います。
警察官とのやりとりも面白い一冊でした。