スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

日本を代表する二人の名探偵について考えた

後半にちょっと「ハードボイルド・エッグ」 荻原浩

 

ちょっと思うところがあって日本を代表する二人の名探偵について書かせていただきます。とても長い上に本の話は短いです。それでもお付き合いいただけたら幸いです。

 

どちらもマンガ原作なのですが、一人は頭脳は大人の少年探偵でもう一人はおじいちゃんの名にかけて謎を解く高校生です。

今回は彼等に共通するリアリティの無さと僕のおすすめの探偵を紹介させていただきます。

 

まずは二人の探偵のリアリティの無さについてです。

出来るだけ二人の共通点についてでお話しますが、一部を切り取っての意見になっています。

 

舞台は山奥の館。名探偵は自分が外出すると事件が起きることは自覚しつつも何らかの理由をつけていつものメンバーで外出してしまう。いつものメンバーの中には警察官だったり、カメラマンがいたりする。

警察官は嘘のつかない証拠人として使われる。また、事件を探偵が捜査するのは違法なので免罪符としても使われる(それでも少年に死体を見せることは反対だ)。カメラマンは状況の整理に使われることが多い。

館の外は嵐のために木が倒れてしまっているので下に降りることもできないし、電波が届いておらずまた、電話線が切られているから警察の助けも来ない、もしくは時間がかかる。

館に閉じ込められた状況で殺人が起きる。探偵はするどい推理力でこう言う。「犯人はこの中にいる」。

さて僕が訴えたいシーンの設定ができました。ここまでは小説でもありがちだと思いますし、現実でも起こる可能性があるので文句は無いです。

 

訴えたいのはここからです。探偵たちは人の命は大切だと言っています。それは犯人の命も同様で推理の末に犯人を追い詰め自殺されてしまった場合落ち込んでいました。

しかし、その反省は次に生かされていないように感じてしまいます。僕の考えですが、極限の状態にある時には人権よりも人命が優先されます。

故に探偵たちに真っ先に考えて欲しいことは人命が失われることのない状況を作ることです。

推理の途中、館の中の容疑者たちは勝手な行動をとります。一人で部屋に閉じこもったり、探偵たちに絡んでアリバイ作りをしたりします。部屋から出るなと言っても出てしまう人もいます。

そうなると犯人から守りづらくなります。犯人が外から来たのかもしれないなどと適当な理由をつけて全員を一つの部屋に閉じ込めて監視させ合えば救えた命があったはずです。

トイレや料理は最低でも探偵が信頼できる人を加えた三人以上で行動すれば最初の犯行以上の被害は防げると思うのです。

 

もう一つ訴えたいことがあってこちらの方が深刻です。

探偵たちは犯人を指摘する際に無防備過ぎます。警察だったら殺人犯の確保には10人くらいで囲み取り押さえます。

探偵たちはまず全員の前で推理を披露して犯人に自供させようとします。

この手順だと犯人が抵抗するのも当然です。もう一人を殺害したり、自殺したりする時間を与えてしまいます。

まずしなくてはいけないのは犯人の自由を奪うことです。特に少年探偵の場合は麻酔針があるので、それは犯人に使うべきです。何度も言いますが、確保の瞬間が一番危険です。

あと、秘密主義なのか分かりませんが推理を披露しているときに探偵の仲間は反論したり驚いたりしています。これは探偵が仲間に犯人を伝えていないからです。確保する際の犯人が危険であることを考えれば、事前に犯人を教えておいて距離をとらせるべきです。

 

こんなところでしょうか。二つの作品のファンの方、不快にさせてしまったら申し訳ございません。

ただ、人命を大事にして欲しいだけなのです。

 

僕が好きな探偵は「ハードボイルド・エッグ」に出てくる。

彼は主に動物探しの仕事をしているがときどき大きな事件に巻き込まれる。

本書はユーモアのセンスが抜群な上、とても感動するのが特徴だ。

探偵が殺人事件に巻き込まれたとき、捜査する理由が明確にあって、できる範囲で頑張ろうとしている。やはり、無理して欲しくないというのが僕の考えなので、警察に頼ろうとする姿にも共感できる。

 

細かいことにとらわれすぎな僕の性格のせいで苦しむことも多いです。それでもリアリティを大事にしている作品はたくさんあることに心から感謝しています。

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