「億男」 川村元気
初対面の人と話すときはとても緊張しますが、何とか会話を繋げようとすることがあります。
その時に「三億円当たったらどうする?」と聞くとなかなか盛り上がりその人のことを少し知った気持ちになります。
みんな答えが違っていて(貯金と言う人が多い)面白いですが、僕だったら本屋を建てると答えます。
僕が選ぶいい本に囲まれて慎ましく一人、カウンターに座り、お客様を待つ。そんな老後を過ごしたいです。
でも若い時、不意に大金を手に入れたら人生おかしくなるだろうな。今気に入っている仕事も辞めるかもしれない。
本書の主人公は宝くじで三億円を当てる。
そしてやることは男だったら共感できるかもしれない。それは女を呼んでパーティーを開きモテモテになること。主人公は激しい環境の変化の場に身を置くことを選んだ。
これには僕は共感できない。お金持ちな男がタイプという女性と仲良くなるよりもお互いに惹かれあって仲良くなったら実は相手がお金持ちだったという状況の方がいい。
友だちからはお前は夢見過ぎだからモテないんだよとよく言われます(^_^;)
友だちにお金を奪われ、この世の不幸を背負うかのような主人公はどのような行動に出るだろうか?
多くの偉人の言葉によって、主人公と一緒に半ば強制的にではあるが、自分と向き合わせる本書は読み手の価値観を激しく揺さぶる名作だろう。
本書は有名俳優と有名女優を使って映画化もされましたね。
キャストの一人、沢尻エリカさんに三億円当たったら何に使うかを質問すると、「私だったら一日で使い切る」と言っていたらしいです。
それが、正しい使い方な気もしますね。