電車男は一世を風靡した。
最初にちょっと昔の話を。
僕の初デートは「電車男」の映画だった。同じバイト先の女の子を誘って奇跡的にオッケーをもらえたのだ。
館内の待ち時間では映画の主題歌である、ORANGE RANGEの「ラプパレード」が延々と流れていた。
いざ、上映。電車男がエルメスさんとの初デートのために洋服を買い、美容室に行き、変身した時のシーンは館内の人が「おー!」という歓声と一部からは拍手まであった。
そしてクライマックスでエルメスが………
ネタバレが過ぎるのでこの辺りにしておきます。
デートの行方は味で例えると苦いです。
「電車男」は今でも楽しく、理想的な恋愛シーンの一つだ。エルメスさんが素敵な女性であることは分かるが、電車男が勇気を出したからこそ出会えた恋だ。いつまでもお幸せにと心から言える。
告白のシーンはとても感動的なのでご存じのない方は自分好みの「電車男」を見つけて味わってみてください。
変な言い方をしたのはたくさんの「電車男」があるからだ。
「電車男」のストーリーは電車内で酔っ払いから女性を守った男(年齢=彼女がいない歴)がネットの住人に助けを求めながらも恋を育むラブストーリーだ。
電車内で女性を救った男を電車男と誰かが名付け、後に自分でも電車男のハンドルネームを使うようになる。
ヒロインはエルメス、またはエルメス子と呼ばれる。これは電車内で助けてくれたお礼として電車男にエルメスのカップを送ったことから名前が付いた。
最初は2004年の単行本。著者は中野独人だ。ちなみに著者名は「なかのひとり」と読み、電車男をチャットで応援していた人たちだと考えられている。
僕の中の「電車男」はこれが一番だ。(写真は違うのを出してすみません。手持ちになかったのです)
全て2ちゃんねるというコミュニティサイトに書かれた言語で書かれていて、実に多くの人が電車男を応援していたことが伺える。告白のシーンの時はみんな騒ぎすぎてわけのわからない書き込みが多かった。
今までに僕は2ちゃんねるで書き込みをしたことも見たこともないが、なんかみんなテンション高くて面白いなという印象を持っている。
「カップのお礼に食事誘え」とかエルメスとは身分が違うのではないかと落ち込む電車男を慰めたのは2ちゃんねるの住人だ。エルメスをごはんに誘うシーンの描写はみんな焦っていて、面白かった。
必ずしも実話とは言い切れないこの物語を多くの人が関わり、本気で応援することが感動的な物語を生んだ。きっと電車男の誠実さがネット越しに伝わってきたのだと思う。
単行本のヒットのあと、「電車男」は映像化、舞台化、マンガ化までしている。海外でもトレインマンとして知られているみたいだ。
映画の主演は山田孝之と中谷美紀だ。単行本の中で電車男がエルメスと中谷美紀が似ていると書いたことからこのキャストになった。
ドラマの主演は伊藤淳史と伊東美咲。舞台は武田真治と優香だった。
マンガ化は調べたがたくさんありすぎてよく分からなかった。僕が知っている限りでは原秀則さんと道家大輔さんが書いている。
いかがでしたか?皆さまの好きな電車男はありましたか?
現在ではもう生まれない物語だと思うので、勝手に平成を代表する恋だと認定したいと思うのですが、いかがでしょうか?
↑は単行本版です。