スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

「Red」島本理生

僕の動物占いでのキャラクターはは「楽天的な虎」だ。

これの特徴はまず、楽天的。で、博愛主義と平和主義。

楽天的は当たっているかな。何事も何とかなると思っているから、人にやさしくできる。

そういえば僕は、「誰にでもやさしいってことは誰にもやさしくないってことだからね」と言われたことがある。

意味がわからない。やさしい人が好きと言ったのはそっちの方じゃないか。

 

この中で自由主義も当たっているかな。

みんなももっと自由になるべきだと思う。君がやりたいことはとめないし、とめられない。

自由とは制約のなかで輝くことだし、人に迷惑をかけないことと共存できると思っている。

僕はあいさつと決まりごとを大事だと思う、量産的な社会人だと思うが、心は自由だ。

主人公の塔子は結婚して、子どももいるが、不倫をくりかえす。

塔子の不倫は僕とは関係のない話だ。好きにしていい。やりたいようにやればいい。勝手にしろ。

ただ、ひとつ、強く思ったことがある。

それを今回の最後の一文にした。

 

僕は本書に振り回される12月を過ごした。

まず本書は分厚い(笑)500ページある。

そして、とても考えさせられた。

やさしさとは何か、彼女に必要な言葉は何なのか。

まぁ、考えてもわからなかったけどね(๑>◡<๑)

それとも、わかりたくないのかもしれない。

やはり、不倫はリスクが大きい。しかも相手は職場の上司だ。塔子の不倫がバレたときの代償は多い。

まず娘、家、職場、友だちも幾人かは離れるだろうし、罪悪感は何事にもつきまとう。

塔子がうらやましいとも思う。

彼女を愛してくれる男は多い。

上司の鞍田は命がけで塔子を愛す。鞍田の誘い方と愛し方はすごかった。

同僚の小鷹は刹那的に塔子を愛撫する。

夫はマザコンで、妻を軽視する発言も多いが、間違いなく、塔子を愛している。イケメンで稼ぎもいい。

姑からのいじめはなく、娘もかわいい。はたからみれば、理想の夫婦だ。ちょっとお義父さんは怖いかな。だから相手の親との同居はやめとけって言ったのに。

 

旦那とのケンカのシーンはとても怖かったな。

塔子の言う通りに子どもの面倒も見てるし、仕事復帰もさせてあげた。君の望むようになってるじゃないか。君は何が不満なのだい?と。

実は僕も旦那の言い分に近いものを感じていた。僕もこの旦那のようになる可能性を考えると恐ろしい。

旦那はいちいちの言葉が厳しいのだ。女からそんな発言は聞きたくないとか、普通は、とか。

塔子の言い分は、女として愛してくれない、結婚記念日に抱いてくれなかった、娘をすぐ義母に預ける。

これらを訴えていたら、何か変わったのではないかと思うのだが、塔子は言えない。

旦那との別れを考えるが、娘の親権は旦那にいくかもしれない。八方塞がりだ。

 

本書はずっともやもやしながら読んでいた。

不倫するなら楽しそうにしていてくれ。幸せであってくれ。そして、人のせいにするなと思う。

あなたが、鞍田と寝たいから寝ているのだよ。

ずっと続く苦痛から逃れて、目の前の快楽に飛び込みたくなるのは人間として当然だ。

そこで、理性が勝ち、娘のために生きる人は美しいが、愛されることを望み、一瞬でも輝きたいと思う塔子は女性として美しい。

が、それはずっとは続かない。儚いのだ。切ない。

それが、もやもやした。塔子は幸せになれるのかい?

鞍田に抱かれているとき、塔子は幸せかもしれない。

しかし、それは罪悪感を伴う。罪悪感は呪いだ。もちろん人はやり直せるとは思うのだが、これから先、一生、不倫した自分とともに歩むことになる。

娘を置いて、鞍田のもとへ向かった過去は消せない。

ラスト、ただただ娘さんが気の毒になった。両親とも自分のことばかりで、娘さんを見ていない。自分に甘く、他人に厳しい。

それでも子は、ほっといても育つ。勝手にしろ。ただ、悪影響だけは与えないようにして欲しい。

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この本は今年の一冊を募集したときに、教えていただきました。書いているうちに、熱くなってしまいましたが、本音で書きました。

あまり良いところを書けませんでしたが、本書はひとりの奥様の内面をていねいに描いた、名作でした。

いつか、本書を題材に読書会をしましょう。そこでは男と女の仁義なき戦いがあるかもですが、終わったあとはノーサイドの精神でお願いします(^ ^)

本書はちょっと大人すぎて、僕には刺激が強すぎましたが、電車から降りられなくなるほど、夢中になって読みました。

結婚して(あと何年後になるやら)、奥様にやさしくできないときに、また読み返したいと思います。

それにしても結婚生活ってどんなんだろう。言いたいことは言えなくなってしまうのかな?

僕は言えないタイプだから、奥様はズバズバと言う人がいいな。あとは、今のうちに土下座のスキルアップと誉め言葉のレパートリーを増やしておこう!