スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

裁判員裁判を昔話でやってみました③

「昔話法廷 season3」NHK Eテレ「昔話法廷」制作班 編 坂口理子 原作  イマセン 法律監修

 

このシリーズについて書くのは3回目なので、世界観の説明は詳しくはしません。

動物には人権があるものとないものがいます。僕の予想では巨大化するか人の言葉を話すかのどちらかができれば人権を持つのだと思います。

それは今回で覆されてしまいましたが。

地球の生き物の7割は虫だとか、ニュージーランドでは羊が法律を作っていそうだとかは関係のないことでした。

 

今回はヘンゼルとグレーテルの魔女殺しによる強盗殺人の裁判と猿のカニ殺しによる裁判の2つです。

それでは裁判を見ていきましょう。

 

1.「ヘンゼルとグレーテル」裁判

まず裁判の理解として、ヘンゼルは10歳、グレーテルは8歳だ。

彼らは少年法で守られているはずだが、この世界では少年法はないらしい。そこが争点ではないのだろう。

あと、2人は同じ罪で裁判にかけられている。それは2人が実行犯とされているということだ。

これらは世界観の理解に必要なことだ。

 

ヘンゼルとグレーテルは親に捨てられて森に迷い込む。

白い鳥は彼らを魔女の家に案内する。

魔女は彼らをもてなして共に楽しく生活していたが、持っていた金貨が彼らに見つかり、殺害され、金貨を盗まれた。

だから彼らは強盗殺人罪で有罪だ。これは検察側の主張だ。

 

弁護側の主張は魔女に食べられそうになったから殺した。

金貨を盗んだのは貧しい両親のためであり、殺人は正当防衛、裁かれるべきは窃盗罪だと主張。

 

これはなんとも言えない事件だな。

物証は少なく、心証でのみ裁くことになってしまう。

ヘンゼルとグレーテルが捕われていた証拠もなければ、可愛がられていた証拠もない。

 

事実として窃盗があるので、僕の一票は強盗殺人があったことに入る。

もし、正当防衛があったのなら、それをどう証明できるだろうかと真っ先に考える。僕だったらだが。

彼らの目的は魔女に死んで欲しいではなく、食べられたくないが一番にくるはずだ。

なので、かまどで焼いてしまった魔女が生きていた方がなにかと都合がいい。そして、窃盗があると殺人を疑われてしまう。

なので、魔女は殺さず、「救急車や警察を呼ぶ」が真っ先にくるべきだと思う。

ヘンデルとグレーテルからは殺意を感じてしまった。

 

だが、これは本当に分からない。

強いて言うなら、これは死刑もあり得る事件だ。もっと証拠を集めるべきだろう。

 

2.「さるかに合戦」裁判

これは僕のなかでの判決は簡単に出せたが、複雑な心境になる事件だ。

 

猿はカニのお母さんに柿を投げつけ殺している。近くにいたカニの娘も2人、計3人の殺害で裁かれている。

残されたカニの息子は猿の死刑を望んでいる。

争点は猿は死刑か否かだ。とちらにしても極刑だ。

 

カニの息子はお母さんの敵討ちをしようと、事件から8年後、逃げまわっていた猿を見つけ出し蜂と栗と牛のふんと臼を仲間に入れ、猿を襲う。

突っ込みどころがたくさんあり、今回は無視したいところだが、ひとつだけ。

この世界では臼にも人権がありそうだ。餅をつくときは臼さんの体でついていいかを聞く必要がある。

 

復讐の作戦は成功し、息子カニは猿の頭をハサミで切ろうとした。

しかし、直前で猿に家族がいたことに気がついた。

これは警察に裁いてもらおうと猿は捕まった。

 

情状酌量のポイントは3つ。後半は僕の感想だ。

・猿は父親から虐待を受けていた。そんな父のことを母は「人でなし」と言っていた。

彼女と別れたばかりでイライラしていた猿は母カニに柿をとってと頼まれたが、猿は断りをいれると母カニに「人でなし」と言われてしまう。

逆上した猿は柿を投げつけて殺してしまう。母カニも娘カニも。

これのどこが情状酌量のポイントかは、僕にはわからない。

・猿は逃亡生活の8年間、息子カニに五万円の仕送りをしている。

それは罪の意識からなのだろうが、収入は明らかにされていない。

気持ちとは割合だ。月収百万円からの五万円と月収十万円からの五万円では重みが違う。

それに償いたいのであれば、まず息子カニに謝罪だ。その上で自首か慰謝料かだ。

身勝手な謝罪は腹ただしいだけだ。

・猿は奥さんと子どもがいる、一家の大黒柱だ。

とても子煩悩で虐待は全くなく、妻も過去の事件を知らなかった。

猿は子どものかわいさを知っているだけにとても残念だ。

 

息子カニは敵討ちのチャンスを逃したことを弁護士に責められる。

「本当は猿に死んで欲しくないのではないですか?」と。

これにはとてもぷんぷんしてしまったが、実際の裁判でも行われているのかもしれない。

この裁判は感情論によるところが多い。感情で判決を変える力があるのは遺族だけだ。

それはできれば、真剣に考えて欲しいが、外的な力が加わってほしくはない。

弁護士は情に訴える作戦を使うことがものがたっているように、猿は死刑だ。

 

裁判はやはり、何が行われたかで裁くべきだと思う。

繰り返しだが、この裁判では息子カニが猿を許さない限り、死刑判決がでるのだろう。

ちなみに日本の裁判では裁判員裁判を経ても、上告できる。

高等裁判所や最高裁判所では裁判員制度はないので、この猿はきっと上告して、精神鑑定とかを訴えるんだろうな、なんて思ってしまう。

f:id:oomori662:20191117122508j:image

長くなってしまってすみません。裁判ものはとても面白くてつい書きすぎてしまうのです。