スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

超能力バトル

「愚者のスプーンは曲がる」桐山徹也

 

本書は「スマホを落としただけなのに」と同じ日に発売されました。

もし、発売日が少しでもズレていたのならば、もっと有名になっていただろうなと思う一冊です。

そして今なぜか僕の中で特殊能力ブームがきておりまして、3日連続での特使能力ものです。

紹介した3つの書籍を集めて重ねると発光して、超強烈な能力が手に入れることができます!

すみません。嘘をつきました。

強引な繋げ方で申し訳ないのですが、本書はずーっと嘘の物語とも受け取ることができます。

どう読んでも面白いのが特徴なのです。

 

物語は冒頭から穏やかではない。
主人公の町田瞬の前には銃を所持した超能力者(らしい) 2人組。

瞬は拉致され、命の危機にある。

しかし、男の方は「気分がいい」と言い、女の方は熱いコーヒーを飲んだりラーメンをすすったりしている。

命のやりとりが多くある本書だが、常に不思議とおかしみがあるのが特徴だ。

彼らは組織の命令で、危険な能力を持つ(らしい)瞬を殺しに来たのだと言う。

瞬の持つ能力とは、超能力の「無効化」。
つまり瞬の前では超能力者による超常現象は発生しない(らしい)ーー。
何とか命拾いした瞬は、代わりに超能力者による組織 《超現象調査機構》で働くことになり、やがて奇怪な事件に巻き込まれていく……。

 

僕は本書の設定を理解するのに時間がかかりました。

なので、少しずつまとめていきます。

本書に出てくる登場人物はほぼ、何かしらの特殊能力を持っています。

ただ、能力には制限や代償があります。

瞬を拉致した男は熱を自在に操りますが、常に頭痛があります。

女の方は熱いものが食べられないという代償があります。

他にもサイコメトリーを使う者や透視能力を持つ者もいます。

強力な能力であるほど、代償が重いらしいです。人の憎しみや怒りを向けられる代償なんかはかわいそうです。

さて、瞬の能力は「無効化」です。彼の前ではどんな能力も使えません。ある程度の有効範囲があるみたいです。

瞬の能力の代償は運の悪さでしょうかね。これは明らかにはされていません。

そして本書の面白いところは全編に渡り瞬が語り手ということです。

瞬の周りで起こる出来事や瞬が考えたことしか出ないので、本書では能力を使うシーンは一切出てきません。

ここで、ずっと嘘の物語と言ったのがわかってもらえると思います。全員が瞬を騙している可能性があるのです。

瞬の所属した超現象調査機構は裏警察みたいなものです。悪の組織と戦うという設定はとてもハードボイルドです。

 

ユーモアにも富んでいる作品です。1番のお気に入りは現実にいる超能力者のユリゲラーさんを意識してのセリフです。

《「いいか、恋ってのはマラソンみたいなものだ。上り坂もあれば給水所もある。いろんなドラマをの先に、ゴールはあるんだ」村井さんは僕の肩を叩き、「ユリげろよ、瞬」と言い、軽く手を上げて去って行った。》

このユリげろは笑うしかなかったです。

瞬の《「ユリげる」って何だ。》というツッコミも笑えました。

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本書は僕の中で続編が待ち遠しいランキングの第一位です。

いつかこのランキングに権威がつくように頑張ります!