スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

「屍人荘の殺人」今村昌弘

先に本書を読んでいた兄に感想を聞くと、急にド直球のネタバレが飛んできました。

「館で〇〇〇が出てくるんだよ」とさらりと衝撃的な一言です。

その一言が本書を読むきっかけになりました。

 

様々な欲が満たされて大満足な一冊になりましたが、どうやらこの本はネタバレなしには語れないようです。

本書のレビューは他の、多数の方が書いているので僕は特に良かったことを箇条書きで綴ることにします。

後半は中核の部分にも触れています。

 

⚪︎館ミステリーとしての進化系

館が舞台のミステリーは数多くあるが、どこかで冷めてしまう自分もいた。

都合のいい台風と電波障害、木が倒れては道を塞ぎ、みな個人行動をとりたがる。

犯人は密室にこだわり、ときに探偵の謎解きに協力する。探偵は「俺は事件を引き寄せてしまう」と嘆くが本当に辛いのは被害者だ。

本書ではそれらの「館あるある」をクレイジーでグレートな方法で成立させている。とても見事だ。

⚪︎ドゥーダニットの探偵とホワイダニットの探偵

館には2人の探偵がいる。

男の探偵はドゥーダニット・どう密室にして、どう殺したかを中心に考える。

小さくてかわいい女の子探偵は僕のタイプだ、ではなくて、ホワイダニット・なぜ今なのか、なぜ密室にしたかを中心に考える。

僕のミステリーの読み方は犯人の動機にばかり注目していた。

しかし、本書でホワイダニットの新しい意味を知り、それで考えるのがとても楽しかった。

今後の読書の仕方が変わることが、今はとても嬉しい。

 

ちょっと休憩。

館が舞台の本格ミステリーでは密室や謎解きにページをとられ、被害者はテンプレートの殺されても仕方のない奴になってしまいがちだ。

本書は少し、ひねりがあった。そこも良かった。

 

さて今回1番感動したことをそろそろ。

 

⚪︎ゾンビへの疑問が解消した

本書はゾンビの存在によって館に閉じ込められる。

🧟‍♂️うぉぉ〜🧟‍♀️あぁぁぅ

本書に出てくるゾンビはザ・ゾンビだ。ゲームのバイオハザード1みたいなイメージで、分かりやすくクセのないゾンビだ。それらは物語を邪魔していない。

僕はゾンビものは好きな方だが、論理的ではない部分にやきもきすることが多々ある。

僕の今までのゾンビに対する疑問をまとめてみた。

・ゾンビはなぜ、ノロノロ歩くのか。

・ゾンビはどうやって人と仲間ゾンビを認知し、人を襲うのか。

・ゾンビになるとなぜ、自我を失うのか。

下のが1番の疑問だ。

・ゾンビは人を食べるイメージがある。しかしその人は噛まれた瞬間ゾンビになる人だ。つまり、共食いだ。そんなに肉が好きならば仲間を食べればいい。放っておけばゾンビは共食いによりいなくなるはずだが、ゾンビはなかなかいなくならない。

本書ではこれらの疑問にある程度の解答を出している。

きっと筆者もゾンビのキャラ作りに頭を悩ませたことだろう。しかし、逃げずに真っ正面からゾンビと向き合い自分なりの答えを出している。

その誠実さには尊敬と感謝の念でいっぱいだ。

ちなみに僕の最大の疑問。

ゾンビはなぜ人を食べるのかに対する解答はゾンビは仲間を増やしたいとの答え。納得した。

詳しくは本書を要チェックや!

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本書が映画化する話もあるみたいだ。

映画では今回体験することができた知的好奇心は満たされない可能性が高いのではないかと思う。

本書にはゾンビと殺人によるパニック、ゾンビ学と探偵学の講釈、恋の要素まであるのだ。

しかし、筆者のやりたい事が全てできれば素晴らしい作品になりそうだ。とても期待できる。

主演が神木隆之介くんだしね。

というわけで、映画も要チェックや!