スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

「ため息に溺れる」石川智健

ため息に溺れる、とても詩的な表現ですね。

まず、嫌な匂いを想像してしまう僕の口は、きっと臭いです。ミンティアは必需品ですね。

関係ない話の2連発ですが、僕は背泳ぎができません。

もし海で背泳ぎをしようものなら、即座にライフセイバーの方が助けに来てくれることでしょう。

えー、雑談は終わりにします。

 

ため息に溺れるは遺書の中の言葉です。気取ってますねー。

《ため息に溺れてしまいました。ご迷惑をおかけします。さようなら》

これは腹を刺された後に書かれた言葉です。筆跡は本人のものです。

他のどの証拠も自殺であることを示していますが、腹を刺してから遺書を書くというのはままず、あり得ません。

警察もそこを疑念に感じますが、一度は自殺と判断した事件です。

自殺した人は立川のお医者さんで、地元では名士だったこともあり、大っぴらには捜査できません。

そこで警察は、1人の刑事を屋敷に送り込みます。

それは住み込みになりますが、身分は偽っていないので、違法捜査ではなさそうです。

ちょっと脱線ですが、僕は違法捜査を絶対に認めません。

少しでも違法捜査があると裁判でひっくり返される可能性があります。なので、小説の中でも大事にして欲しいと思うのです。

 

冒頭が自殺した医者の語りから始まりました。

《ーーどうか誰も疑われませんように。》

内臓からは出血、机の上の遺書を確認し、さらに頸動脈を切る。

これを本人の語りで書いている以上、自殺で確定です。

自殺者は児童養護施設の出身でした。

その後は勉学に励み、医者になり、養子として迎え入れられ、美人の妻と結婚します。

そんな彼がなぜ自殺したのか、それには家の権力争いや莫大な財産なども関係しそうです。

 

扱うテーマも、冒頭の自殺のシーンもとても興味深いものだったのですが、中盤辺りから停滞します。

本書の帯には《医者でイケメン、妻は美人。この男はなぜ自殺したーー?ラスト10ページ見えていた世界は一変する!!》と書いてありました。

これは最後にはどんでん返しがあることを想起させ、それ自体はとても楽しみでした。

しかし、これは裏を読むとラスト10ページには必ず、衝撃的な内容が書かれていることを意味します。

自殺だと思っていたら実は………。

医者は皆から愛されていたが実は………。

どんでん返しが好きな人にはおすすめですが、ラスト10ページから先に読むのもおすすめです。

本当に面白い小説はネタバレしてても面白いというのが持論です。

真相を知った上で読み始めてもなお、好みに合えば最高の一冊になり得ると思うのです。

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