スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

ピアノを使った名著

ピアノを使った名作は多いですよね。

「蜜蜂と遠雷」「羊と鋼の森」「さよならドビュッシー」、個人的におすすめなのは「四日間の奇蹟」ですね。

「四日間の奇蹟」は終始穏やかで優しい曲がかかっているかのようでした。

 

今回紹介したいのは

「メディア・スターは最後に笑う」水原秀策 です。

水原秀策さんは何度かこのブログで登場しましたね。

作風はプロフェッショナルであり、ハードボイルドです。

本書では軽薄で暴言ばかりの主人公が活躍します。

そいつはとても憎めない奴でした。

 

天才ピアニストの呼び声高い瀬川恭介は、突如として自分の教え子が殺害された事件の重要参考人となってしまう。
天才ピアニストによる殺人事件、しかも被害者は国民的な人気のある美少女ピアニストと言うセンセーショナルな話題は、マスコミの格好の餌食となる。
記者たちが、インパクト優先の記事作りに夢中になる中報道記者の相沢奈緒は、瀬川犯人説に疑問を感じ、独自に調査を始める。

瀬川はいわれのない疑いは晴らすため、マスコミに自分の身に起きた出来事を話すが、信じてもらうどころかその言葉の端々に現れる暴言がクローズアップされ、疑いの色がいっそう濃くなってしまう。
一方独自の取材を始めた相沢奈緒は、殺害された少女に、報道されている事とは異なる事実を発見し、事件の真相近づいていった。

見どころは大きく分けて二つ。

一つ目はその作風はたくさんの批判を浴びる水原劇場だろうか。

分かりやすく言うと、ハードボイルド小説のあるあるが全て詰まっているのだ。

主人公がイケメンの上、天才、あと毒舌。取り調べ室でも毒舌を吐けるのだから大した度胸だ。師匠にクソじじいは人間としてどうなの?

探偵役は瀬川だが、助手は元女子アナのべっぴんさん。ハードボイルドと美人の相性は抜群だ。

警察は何度も間違える。嘘発見機の登場にはテンションが上がった。彼らの間違いは瀬川が犯人を追い詰めるためには必要な演出なのだ。

予想通りの犯人とマスコミの質問という悪口攻撃もとても楽しい。

しかし、これらの粗さには読んでいる最中は全く気づかない。水原秀策さんの類稀なる筆力で物語に入り込んでしまうのだ。

見どころの二つ目もそこだ。

二つ目は圧倒的ですらあるピアノの演奏シーン。

これは後半、7ページに渡って描かれている。

ピアノをあまり知らない人でも感激できるように前半から仕込まれている。

このシーンには震えた。音が聞こえてきて胸が熱くなる。主人公の軽薄な印象がガラッと変わる瞬間がそこにある。流石は水原秀策さんだ。

 

本書はハードボイルド小説が好きな方におすすめです。

最後に自慢を挟みますが、僕はもののけ姫の曲を弾くことができます。

ラン、ランララランランランの方じゃなくて、米良美一さんの方です(^^)

今では次々に襲いかかってくる音符♫が怖くて弾けないです。ピアノ弾ける人はすごいなぁって思います。


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