スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

「22年目の告白ー私が殺人犯ですー」浜口倫太郎

本書は読みやすさでいったらトップクラスかもしれません。

読者の煽り方がものすごい上手いのです。

映画の公開よりちょっと前に発売された本書では帯や表紙により、殺人犯役を藤原竜也さんが演じることを知っています。

イケメンが殺人犯で刑事を挑発しまくる映画、裏に何か驚きの事実が隠されているんだろうなと想像でき、とても楽しそうです。

藤原竜也さんは今までにも「カイジ」「インシテミル」「バトルロワイアル」の主演を務めては数々の死線を越えています。

そんな藤原竜也さんが殺人犯役とは最適な気がします。

 

さ、ここからはあらすじです。

突如、編集者・川北未南子の前に美青年・曽根崎雅人が現れます。

彼から預かった原稿は、当時世間を震撼させた五件の連続殺人ついて書かれたものでした。

異常性と猟奇性が世間の注目を集めた事件は時効となっています。

曽根崎の著書「私が殺人犯です」はたちまちベストセラーとなり、曽根崎は熱狂を煽るかのように世間を挑発し続けます。

この一連の騒動はどう決着するのか⁈

 

物語は大きく三つのパートに分かれています。

まず、「私が殺人犯です」を出版するかを悩む川北の苦悩パート。

僕は以前に出版社は売れるものを作るのは義務だと書きました。

「私が殺人犯です」は間違いなく大ヒットするのだと思えました。

著者が美青年、巧みな文章、犯人しか知り得ない真実、曽根崎は様々なメディアに露出して会話術にも長けています。

しかし、出版するとなると遺族の方を苦しめるかもしれませんし、苦情が入ることは容易に想像できるので、会社の寿命を縮めることになるでしょう。

正直なところ、僕だったらこの手の本は買わないし、出版するのも反対です。

川北の産みの苦しみは小説の方がよくわかる気がします。

 

次に牧村刑事対曽根崎です。

牧村は犯人逮捕の目前で尊敬する上司を殺された他、なにか因縁がありそうな感じの刑事です。

(ふわっとした表現ですみません^ ^)

何かにつけては曽根崎と衝突し、ケンカになります。

(この表現もふわっとしてるかな?)

もう逮捕は諦めようぜというツッコミの声は届かないくらいに熱い刑事です。

しかし、牧村が曽根崎に絡むたびに世間は盛り上がり警察の不憫さが目立ちます。

牧村も苦しかったでしょうね。

 

最後は真相パートです。

現実だったらこの狂騒もそのうち、飽きられていくのでしょうが、これは物語。

真相はニュース番組で話すとして、真相を追うジャーナリストを間に挟み牧村対曽根崎を放送します。

この番組はとても興味深いですよね。実際にあったら相当な視聴率を記録するのではないでしょうか。

ラスト、曽根崎の真の目的が明らかになるとき、ギョッとします。

(これまたふわっとしてますね。)

 

時効をめぐる最大級のエンタメ作品、映画も小説もおすすめです。

一番感動したポイントを最後に書くと、時効制度を使った最後の仕掛けはすごいです。

もう、ほんとに、すごいなぁって思いました。

(こうなったら最後もふわっとさせます。)

f:id:oomori662:20191004085641j:image