スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

言葉の受け止め方について(カエルの楽園を考えた)

「カエルの楽園」 百田尚樹

 

本書はカエルたちの人生を描いた優れた寓話だったのですが、モヤモヤポイントがたくさんありました。

結論を先に書くと寓話はそれだけで完成されていて面白いのがベストです。

「はだかのおうさま」や「100万回生きたねこ」は完成されていて偉大な教訓を残していますよね。

 

と、本書について語る前に、まずは僕の読書スタンスの話です。

僕は文字を読むときはまず、形だけを見ます。

最近駅で「最強のSuica」と書いてありますが、まずはめちゃくちゃマッチョなSuicaを想像します^_^

「最強のSuica」で伝えたかったことを考えるのはその後です。

これは単なる言葉遊びですね。日々このようなことを考えてはにやにやしています。

 

僕は相当気を使っているのですが(もちろんまだまだ未熟ですが)、難しい言葉は読み手(聞き手)を疲れさせます。

読み手に考えさせるために強い言葉を使うという手法もありますが(いわゆる炎上商法です)、僕は読み手に負担をかけさせたくないです。

プレバトというテレビ番組の俳句査定では比喩や二つの意味に捉えることができる俳句はあまり評価されません。

お笑いではドリフや吉本新喜劇なんかは次に何が起こり何を言うのか分かってしまっても面白いです。

そのように、わかりやすく面白いものを目指したいです。

さて、「読み手に負担をかけさせたくない」という僕の価値観で「カエルの楽園」を読んだときちょっと大変でした。

 

まずはあらすじです。

主人公はアマガエルのソクラテスとロベルトです。

彼らはダルマガエルの襲来によって故郷を追われ、ナパージュというツチガエルの国にたどり着きます。

ナパージュは「三戒」(カエルを信じろ、カエルと争うな、争うための力を持つな)によって平和が守られている豊かな国でした。

彼らの平和を脅かすのがウシガエルです。隙を見てはツチガエルを食べようとしています。身体の大きな彼らとまともに戦ったら勝ち目がありません。

ウシガエルは鷲がいるときはツチガエルたちの集落に近づきません。

そこで、鷲(ワシ)に相談します。「僕たちを守ってください」

鷲とナパージュ国のカエルは以前に戦争をしたことがありましたが、カエルたちはめっためたにやられています。

今でこそ力の衰えた鷲でしたが、当時は恐ろしかったのです。その力を貸してください。

鷲は「三戒を捨てて一緒に戦うのならば守ってやろう」と答えます。鷲が作らせたとされる三戒を捨てろというのです。

しかし、ナパージュのカエルたちは三戒によって、今が平和だと信じています。

頑なに三戒を守ろうとするナパージュのカエルたちの決断はいかに。

ソクラテスとロベルトは三戒とは、平和とは何かをずっと考えてしまうのでした。

 

こんなところでしょうかね。今回はいつもより長めです。

優れた寓話でしたが、解説があってももやもやは残ります。

ネタバレにもなりますが、モヤモヤポイントを箇条書きで書いていきます。

・この物語は日中米の関係を表しているのだが、アメリカを鷲にしたのはわかりづらかった。

・ウシガエルを悪者にしたかったのだろうが、あいつは元々、いけると思えばヘビも食べるやばい奴だ。

・ツチガエルたちは自分の時間を優先して子作りに励まないのだが(僕にも当てはまるので胸が痛い)、その時点で滅亡に向かっている。

こんなところでしょうかね。

でもここまでは単なる言葉遊びです。

 

一番訴えたいのはソクラテスとロベルトの動機がわからないことです。

彼らは彼らの繁栄のため、国を出たのはわかりますが、そのあとずっとふらふらとしています。

アマガエルと結婚し、子どもを作るか、ウシガエルたちの家来になってもよかったでしょう。

ロベルトは三戒に感銘を受けますが、ソクラテスは懐疑心が強いです。

そんなソクラテスは単なる傍観者のように見え、物語の邪魔となります。もちろん読者に第三者視点で考えさせるためには必要だったのでしょうが。

比喩として考えたときにもソクラテスとロベルトは立場がはっきりしていません。

彼らは終始、日本人を嘲笑っているように感じてしまいました。

 

本書は筆者の想いが多分に含まれています。

日中米以外にも、韓国や朝日新聞や自衛隊を表すものまで登場します。

さんざん書いてしまいましたが、今、日本のおかれてる立場について考えるきっかけになりました。

どのカエルさんたちも仲良く暮らせたら一番なんですけどね🐸

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最後に、言葉遊びの一覧を付録にします。

「ペンは剣よりも強し」はミホーク対ゾロぐらいの実力差を表しています。

「どんぐりの背比べ」を想像するとちょこまかと動くどんぐりさんたちはかわいいですね。

その他は政治的な発言に対しても考えてしまいます。

橋下徹さんやホリエモンは嫌いではないのですが、簡単に理解できることをあまり、言わないです。