スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

「最後の証人」 柚月裕子

感涙必至のリーガルミステリーの紹介です。

本書は佐方貞人シリーズとしてドラマ化もしています。あのドラマもとても良かったです。

主演は上川隆也さん。落ち着いた演技と渋い声が検事にぴったりな感じがしました。

ドラマ2回目の「検事の死命」は痴漢事件を扱うものでした。検事の佐方が真実に迫ります。

痴漢事件で2時間持つのかという心配をよそに、二転三転するストーリーに引き込まれました。被害者に秘密がある辺りがリーガルミステリーの良いところだなと再認識できました。

でも本書の佐方は弁護士です。このシリーズは「最後の証人」「検事の本懐」「検事の死命」という順番で出版されましたが、時系列的には「最後の証人」が一番最後です。

信念があって検事を辞めて弁護士になったのですが、弁護士の方が稼げそうだなぁと考えてしまう僕の頭の中の半分はお金で占めています(笑)

 

それにしても本書の表紙は見事ですね。

とてもキレイな色を使っているのもいいですね。

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一目でリーガルミステリーを想像させるし、きっと大どんでん返しがあるのだろうと予測できます。

最後の証人とは誰のことか最後まで気になる作りですよね。

実際、扱う事件もひっくり返し方もとても面白いものでした。

 

物語は2つの軸を交互にして進む。

1つは法廷での裁判だ。被告は殺人で裁かれている。

弁護人の佐方は被告の無罪という声を信じ、真実を追い求める。

佐方は罪をまっとうに裁かせることが弁護スタイルだ。

この裁判では状況証拠、物的証拠ともに被告人有罪を示している難しい裁判だったが、最後に呼んだ証人の証言で逆転をはかる。

もう1つの軸は1組の夫婦の物語だ。夫婦は息子を交通事故によって亡くしている。

ちなみに本書で扱う裁判では妻が被害者だ。

夫婦がどれだけの愛情を注いで息子を育ててきたかが分かるだけに感情移入しながら読むことができる。

主人公が同情すべき被害者の敵であることも面白い。

圧倒的な人間ドラマは感動を生む。佐方には勝ってほしいが、夫婦も救われて欲しい。そんな話だ。

 

見どころは依頼人の秘密と夫婦愛のいく末でしょうかね。

こう書いてしまうと佐方が目立たないので、佐方について書くとこの手の物語にありがちな程の真実バカです。

それは依頼人を脅かす程です。

僕は本書や他のリーガルミステリーを読んで、やはり真実は強いと思い、あまり(^_-)嘘はつかないようにしようと思うようになりました。

しかし、真実が1番という弁護士をあまり好きになれないのは僕だけでしょうか。

もちろん真実は曲げてはいけませんが、依頼人より真実の方が大事という弁護士がいたら僕は依頼しません。


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表紙の美しさはトップクラスです。