スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」 本谷有希子

今までで1番ジャンル分けが難しかった小説です。

ウィキペディアにはブラックコメディとありましたが、僕はホラーとしました。もしくは恋愛が近いのではないかと思います。

本書は映画化されていて、ツタヤで手にとっては元の場所に戻してしまうランキング第1位です。

(ちなみに第2位は「アヒルと鴨のコインロッカー」です。何度も観たのですが、毎回借りるか迷ってしまいます。)

これを観たい気持ちもあるのですが、とても怖いのです。原作通りだったらなお、怖いと思います。

 

著者の本谷有希子さんは劇作家としても知られています。

柳美里さんと似たような経歴にあると思います。

本書もそうですが、3人称視点で書くのが得意みたいです。

劇作家さんだけあって書く内容は脳内に映像化されて届き、とても怖かったです。

本書は壮大なる規模の姉妹ゲンカの話です。

僕が現場にいたら「仲良くして」と訳の分からないお願いをしていることでしょう。

 

物語は和合家の葬式から始まります。和合家の両親が事故で亡くなってしまったのです。

葬式のため戻ってきた澄伽は姉で 女優になるために上京していました。

迎える妹の清深は漫画家さん。かつて姉を題材にしたホラー漫画を書き、姉を村から追い出しています。

まぁ自意識過剰で傍若無人、あげく売春や父や兄に暴力を振るうような澄伽が悪いのですがね。

案の定、澄伽は戻ってきてから清深に復讐を開始します。

復讐の行き先はどうなるのか、が1番の見どころかと思います。

 

まず、澄伽の設定が面白いです。本谷有希子さんがモデルになってるという噂がありますが、そう書くと僕も酷い目にあわされそうなので断定しません。

澄伽は一言で書くとメンヘラです。女優業が上手くいかないことを全て人のせいにします。

論理的にあなたの実力不足ですよと言いたくなりますが、それを言ったが最後、めちゃくちゃにされるのでしょうね。僕は速やかに澄伽の味方になることにします。

清深も謎です。狂気の姉に関わらなければいいのに、どこか挑発しているようにも感じられます。

あなたが我慢するしかないのですよ。という僕の声は届くのか、は置いといて清深の動機がもしかしたら1番怖かったかもしれません。

兄(三兄妹の1番上)もやばいやつです。澄伽の言いなりだし、妻の待子には暴力を振るいます。DVですね。

待子はそれを受けて喜んでいるようにも書かれています。

本書の世界はどこか歪です。しかし、日本にはどこかにこのような家庭があるようにも思います。

だから、とても怖いのです。

 

僕調べでですが、本谷有希子さんが好きという女性は音楽活動か演劇活動の経験ありです。

外してても怒らないでくださいね。

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