スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

「屋上ミサイル」 山下貴光

僕はこのブログでは数多くの「このミス大賞」作品を紹介してきましたが、僕の中では本書がNO1このミス大賞です。

青春ミステリーと聞かれれば、本書が出てくるのですが、あまり有名な著者ではありませんね。

実は有名じゃない作品を、著者さんを僕のブログで盛りあげたいというのがブログを始めた動機のひとつとしてあります。

だから始めに書いたのが「二歩前を歩く」なのです。そう書くと石持浅海先生に失礼なのですが。

 

さて本書は第7回このミス大賞を受賞しています。

選評にもありましたが、とても伊坂幸太郎さんの作風と似ています。偶然の連続でものごとが進みますが伏線を使おうとしてるのが微笑ましいです。

あと軽妙な会話、個性豊かなキャラ、殺し屋、バンドマンなどは伊坂感があります。

拳銃を拾うのもどこかで書いた気がします。

 

本書の舞台では屋上での会議シーンが多いです。

偶然屋上で出会った高校生男女4人は隣国からミサイルを撃ち込まれそうな世の中からこの屋上の平和だけでも守りたいと「屋上部」を立ち上げます。

今でいう帰宅部ですね(笑)

この設定だけでも大好物です。男女が目的を持たずにわいわいやるだけで面白いのです。

ここらで屋上部のメンバー紹介です。

語り手はアカネです。唯一の女子部員でツッコミ役です。美術部にも所属の高校2年生でモラトリアムアカネです。

国重嘉人はヤンキーです。ケンカも強いのは青春小説の鉄板です。

沢木淳之介は国重の親友で野球部です。恋が実るための願かけで言葉を封印しています(何故?)。

唯一の一年生平原啓太は自殺願望があります。

彼らの最大の敵はメガネの殺し屋です。

殺し屋から国重は命を狙われます。理由は彼と殺し屋の妻が一緒にラブホテルから出てきたところを目撃されたからです。詳しくは書きませんが、誤解です。

殺し屋は自分で自分に依頼して国重を襲います。ここでの会話はとても大人びていて、穏やかです。

命の危機を感じないほどのどかな様は扱う事件とのギャップがあってグッド👍です。

 

1番の魅力はアカネの弟のライブシーンでした。アカネの弟は歌で世界は変えられると信じてバンドのボーカルをしています。

弟のライブ時、会場では屋上部のメンバーと殺し屋との最終対決です。

弟が「上を目指せ〜」と言ったらどうなるか。世界は変えられるのか。ぜひ彼らの活躍を見届けてあげて欲しいです。

山下貴光さんの作品では他に「働きなさいロックスター」がおすすめです。ぜひ山下貴光さんの名前だけでも覚えて帰ってください。

と言っても2015年以降本を出していないので、書店に著作があったらラッキーです。

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