スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

「砂漠」 伊坂幸太郎

僕の中で青春小説といえばこれです!

ミステリー要素あり、敵との戦いあり、友情・恋愛物語あり、ギャグあり、そして超能力ありです^_^

そのどれもがとても魅力的に描かれている様はとても感動的です。

つまらない話しかしないはずの学長の話も有り難く思えるから不思議です。

でも、今までは大好きなこの本を、書く自信がありませんでした。魅力が多すぎて書ききる自信がなかったのです。

しかし、今できることでベストを尽くすしかありません。僕が1番伝えられる自信がある文章、それは箇条書き技法だ!!

かっこつけたこと書いてすみません。1つ他のものと違うのはどの項目も最高級品ということです。

 

⚪︎友情が美しい

本書は大学生の青春物語。語り手は男子の北村だ。5人のグループがわいわいやるのだが、男3人で女子が2人だ。彼らは麻雀やボーリングで遊び、通り魔と対決し、ときに砂漠に雪を降らせることができるかで話し合う。

僕も高校生のときは深夜まで友だちと話し合ったなぁと懐かしさが蘇り、振り返るのだが、学長の言葉で《「学生時代を思い出して懐かしがるのは構わないが、あの頃はよかったな、オアシスだったなと逃げるようなことは絶対考えるな。そうゆう人生を送るな」》と釘を刺される。

読み終えたときはこいつらみたいになりたいと思える。そんな一冊だ。

⚪︎恋愛もあるが、エロくはない

大学生活といえば、恋愛を頑張った人が多いのではないだろうか。

彼ら5人の中でもそれは起こる。というか、男女が5人でつるんで何も無い方がおかしいのかもしれない。

伊坂幸太郎さんはエロをあまり書かないのだが、たまには淡々とした表現で書く。

そこに彼らの充実した楽しそうな生活が垣間見えるのだ。

⚪︎彼らは闘う

社会に出ればたくさんの敵がいるとはよく言われたものだが、学生の彼らの闘いも激しい。

賭けボーリングや通り魔との闘いは外部の人とだ。彼らはときには仲間同士でも闘うのだ。

というのは麻雀だ。学生といえば、麻雀だ。(偏見かな?)

阿佐田哲也さんばりの麻雀パートは僕も家族麻雀で鍛えられていたから存分に楽しむことができた。

ここに本書で忘れられない箇所があった。落ち込んだ仲間を麻雀でどう癒すことができるかというシーン。

これは実に伊坂幸太郎さんらしく提示している。ヒントがちゃんとあり、答えが斬新だ。

砂漠情態の友だちの心に雪を降らせる。そんな奇蹟の物語でもあるのだ。

⚪︎超能力を扱うのは伊坂幸太郎さんらしい

グループの中の1人・南という女子学生は超能力を使うことができる。分類するとサイコキネシスだ。

これが役立つこともあれば、役立たないこともある。

僕もなにがしかの能力が欲しい。

⚪︎構成

本筋はグループ5人の成長物語だが、それを春夏秋冬の4つに分けて書いている。

どれも単独として面白いのだが、4つの話が頭の中で繋がるとき、また楽しい。

1度目は素直に読んで、2度目は落ち込んだときに読み、頑張っている彼らから力を貰うのがおすすめの読み方だ。

⚪︎西嶋の圧倒的な存在感

西嶋サイコーとは他のレビューでもよく見る文言だが、これには激しく同意だ。

彼の言動・行動からは絶対に目を離さないようにするべきだ。

 

こんなところにしておこう。きりがない。

本書の話自体は王道なのに伊坂幸太郎さんが書くととても愉快なものになる。それは西嶋を中心とした軽快な会話がもたらした産物なのだと気づく。

やはり小説とは、設定やトリックによって面白くなるのではなく、書き方が1番大事なのだと本書を読み終えたあと、気づいた。

大人が読んでも、子どもに読ませても大切な一冊になるだろう。これは自信を持っておすすめできる一冊だ。

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本書について書こうと思ったのは数ヶ月前でした。書き始めてからは3日は経っています。

どこが1番の魅力か自分でもわからなかったのです。

ならばと、書き終えてみて1番印象に残ったことを書きます。

それは西嶋がホスト礼一との闘いで転がされたときの一言でした。

《「天地無用ですよ、天地無用」》なぜここで、その言葉が?

《それは宅急便の段ボールなどに時々書いてある、注意書きだ。》と北村のツッコミも冴え渡っている。

ここが1番記憶に残っています。