スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

「月の扉」 石持浅海

本書は僕が尊敬する作家である石持浅海先生の出世作です。

石持浅海先生の作風を僕が大好きなゲーム・実況パワフルプロ野球風にステータスで表すと、

 

ターゲット層の広さ:B

文章力(奥深さ)    :A

スピード感               :C

動機の設定               :B

論理的思考力           :A

※上から順に A B  C で強い。

 

ってなところでしょうか。

本書では持ち前の強みに加えて、ファンタジー色も強いです。

僕はこの手の分析が大好きで、一時期は読み終えた本をノートにまとめて点をつけていました。

今はブログを書くことに集中したいので、ノートはつけていません。

昔、そのノートがいつもの場所に置いていないことがあり、焦っていた僕に兄貴がノートを渡しにきました。

「誤字を直しておいた」と呟き、恐る恐るノートを見ると誤字が赤ペンで修正されていました。

早く家を出ていこう、と思ったエピソードでした。

 

前置きが長くてすみません。

今度は、石持浅海先生の話をします。

石持浅海先生は理系の作家です。東野圭吾さんや森博嗣さんと同様です。

それゆえか、探偵役が謎解きをする際には一切の矛盾がなく、犯行動機などもロジックで明かします。

別の著書なのですが、新幹線内の殺人の容疑者を一度、アメリカの大統領まで広げて考えていたことがありました。

すぐに大統領が犯人なわけないと取り消しましたが、勘に頼らない捜査とはこれだ!と当時ものすごく感動したのを思い出しました。

石持浅海先生の小説には、毎度手を叩き唸っては、近くにいる人を捕まえて、解説してしまいます。

そういえば初めて書いたブログも石持浅海先生の作品でした。

本書も持ち味が存分に活かされていてとても良かったです。

 

舞台は飛行機内の密室。

突然3人組にハイジャックされる。彼らの目的は誘拐の容疑で捕まった師匠の解放。

師匠には不思議な力があって多くの子どもたちが、師匠に出会って元気になっていくし、師匠は別の世界にだって飛べる。

師匠の力によって別の世界に行く計画を立てていたハイジャック犯たちはその日その時だけの解放を要求してのことだった。

計画は着実に進行していく中、機内のトイレで死体が見つかる。

同乗していた、乗客の1人、愛称・座間味くんがハイジャック犯から探偵役に指名され、事件の謎に迫る。

人質となっている子どもを守るため、同乗している恋人を守るため、座間味くんはハイジャック犯たちと駆け引きしながら謎を解いていく。

 

極限の状況の中、座間味くんの推理が冴え渡るのが見どころです。

あと、別の世界に飛ぶ力は本物なのか。

本書を読めば皆様も、最後には奇跡を信じているようになります。

それは石持浅海先生の卓越した文章力によるものだと思います。

f:id:oomori662:20190823001306j:image

こんなに表紙が綺麗な本は珍しいです。

とても大切な一冊です。