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スーパーノヴァの読書日記

本について書いています。体力の続く限り 一日一冊書いていきます。気軽にコメントいただけたら嬉しいです。カテゴリーを整理しました。好きなジャンルの本が探しやすくなっています。

「その女アレックス」 ピエール・ルメートル

初めての外国文学、略して外文の紹介です。

本書はイギリスで大ヒットのカミーユ警部シリーズの第2弾です。

しかし、僕は本書を友だちにすすめられて買った為シリーズ第2弾から読むことになりました。

友だちも第2弾から読み始めていた上にそれに気づいていませんでした。

しかし、お互いに「最高のミステリーやわー」と語っていました。なんか、幸せなエピソードですね!

 

前置きはこの辺りにしますが、最高のミステリーだったのは本当です。

本書を一言で表すと「最高級の二面性ミステリー」といったところでしょうか。

アレックスについての印象が捕らわれたときの序盤と追いかけているときと謎明かしのときとで270°ぐらい違います。

それでは順を追ってみていきたいと思います。

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《おまえが死ぬのを見たい》と男は言ってアレックスは檻に監禁されます。

これが序盤です。カミーユ警部率いる愉快な捜査班は少ない目撃情報からアレックスを探します。

全裸のアレックス対ネズミ🐭さんの戦いには心が折れそうになりましたが、ミステリーというものは序盤に捕まったら逃げ出すパートがあるものです。

必死の思いで逃げ出したアレックスには壮絶な秘密がありました。そして彼女は目的を持って逃げ回ります。閉じこめた男からも警察からも。

ここまでが中盤から終盤に向かうスパートです。

カミーユ警部がアレックスに近づくにつれ、アレックスの秘密が段々と明かされていきます。

しかし、それは信じ難いものでした。僕が今までに読んだミステリー経験値でも、とても分類できる話ではなかったからです。

終盤はもう大逆転劇です。アレックスの目的が全て明らかになります。

《われわれにとって大事なのは、警部、真実ではなく正義ですよ。そうでしょう?》と判事がカミーユ警部に問いかけますが、この言葉が全てを表しているような気がします。

最後の最後までお見事な一冊でした。

 

外文はいまでもちょっと苦手意識があります。

登場人物や地名が覚えられないし、本書でもそうなのですが日本と法律の違いがあり、たまに混乱してしまいます。

本書では判事が捜査に口を挟みますが、これは日本ではないことと思います。

あと重要なのはユーモアのセンス、上手くは表現できませんが外文のジョーク部分には手を叩いて笑わないといけない気がしてとてもプレッシャーになります。

その点本書ではずっとアレックスを中心に置いてくれた上、ジョークは少なめなので余計なことを考えることなく、ミステリーに集中できました。

何度でも言いますが、本書は本当に凄いです。大、おすすめです。

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本書の背表紙です。

始めに書いた第2弾のものを1番に買ってしまった要因として、《ル 6 1》という番号のせいもあります。

これは名字にルがつく人の(五十音順で)、6番目(ルのつく作家さんの内、6番目)、1に並べて管理してくださいという意味の記号です。

書店員さんはこれを参考に書棚を管理します。

最後の1が問題なのですが、これは1作目を通常は表します。ルメートルさんが2作目を出したら《ル 6 2》となります。

きっと訳した順や出版した順なのでしょうが、混乱した書店は多かったことでしょう。本書の展開ではカミーユ警部の3部作を並べましたが、1番目に本書を置いてしまうのも当然です。

まぁおかげで名著にスマートに出会えたのですから、何も文句はありません。