「謎解きはディナーの後で」 東川篤哉
本の話はさて置いて、先に嵐の話をします。
嵐のデビュー時僕は小学生の高学年でした。
当時の僕は少し尖っていて「は?ジャニーズなんて女を食い物にするホストみたいなもんじゃん」などと言ってはTOKIOやV6が出てるドラマにハマる矛盾したガキでした。
嵐がかっこいいなと気づいたのは2005年発売の「サクラ咲ケ」を初めて聴いた時でした。そういえばいつもいい曲を出しているなと。
それ以来、ずっと注目しています。特に大野くんはかっこいいし、歌上手いし振り付けもするしと嵐の中で一番好きです。
「誰も知らない」「台風ジュネレーション」「感謝カンゲキ雨嵐」などの曲が特に好きでした。
大野くんが辞めたがっているという噂はずっとありましたが、20年も最前線で突っ走ってくれたのですから、感謝で一杯です。
段落が変わりましたが、今度はドラマの話をします。
本書は嵐のラップ担当・櫻井翔くんが毒舌執事役でお嬢様刑事役を北川景子さんが演じてドラマ化しています。
その後、映画化も果たすなど大ヒットしました。
僕はドラマを楽しむことはできませんでしたが、毎週嵐が歌う主題歌の「迷宮ラブソング」が楽しみに見ていました。
さてようやく本書についてです。
本書はいわゆる安楽椅子もので、捜査を実際にするのはお嬢様で、謎は執事が解きます。
僕は「おい!守秘義務はどうする」というツッコミをするほど野暮ではありません。
本書の特長はお嬢様が見たもの経験したものを執事に伝え、執事はその情報だけで謎を解くところです。
その際お嬢様が的外れな推理をすると「それでもプロか。このド素人」などと毒舌が飛んできます。
毒舌の度にクビになる可能性があるというのに繰り返すのはそれが執事のお嬢様としたいコミュニーケーションなのだと思います。
なんか気持ち悪いですね。(僕も毒舌になってしまいました。)
安楽椅子ものは勘違いや(伝達ミスによる)すれ違いを使ったトリックで面白くなる可能性もありますが、どうもキャラクターの力に頼りすぎてしまう傾向にある気がします。
他の小説に比べて動きも少ないことも合わせて、キャラクターを好きになることができなければ面白くなりづらいです。
そして僕は雇い主に暴言を吐く事が許せないので執事が嫌いでした。
なかなかクビにしないお嬢様にもどかしく思う気持ちもありました。
このままでは今回は毒舌で埋まってしまうので、最後にポジティブなことを言って終えます。
本書は読みやすさでいうとトップクラスです。
そしてイケメンに毒舌で叱って欲しい方におすすめです。
どちらかというと女性向けな本だと思います。