スーパーノヴァの読書日記

主に本について書いています。たまにドラマや音楽や映画についても語ります。気軽にコメントいただけたら幸いです。

「チーム・バチスタの栄光」 海堂尊

本書はこのミステリーがすごい!の大賞を受賞し、映画化とドラマ化もされたことで有名な小説です。

今まで色々な小説の2回目、3回目を楽しんできましたが、本書だけは唯一、1度目を読み終えたあと、すぐに2度目を読みました。

真相を知った上でも楽しめる自信があったからできたのだと思います。

ちなみに映像化のキャストは映画の方が良かったですね。竹内結子さんと阿部寛さんのコンビは最高でした。

 

難しい専門的な用語もたくさん出てくるので、雑にあらすじを紹介するとバチスタ手術という難しい手術を奇跡的な確率で成功させてきたチームが立て続けに術中死を出してしまう。

愚痴外来(と呼ばれている部署)の田口が内部調査をするが原因の特定は困難。そんな中厚生労働省から来た白鳥という役人が調査に乗り出す。

白鳥は「アクティブフェース」と称する挑発的な質問で対象から本音を引き出すことを得意とする。

様々な思惑や事情を抱えたバチスタチームを白鳥がかき回し、今まで見えなかった一面を明らかにする。

殺人事件以外にもチーム内にいくつも抱える問題を解決させていくさまは爽快だ。

 

本書の最大の魅力はやはり白鳥だろう。

白鳥は人を怒らせることにかけては天才的だが、観察力が鋭い。殴られても悪態をつけるのだから相当な信念をもってやっている。

術中死は事故か殺人かは見分けがつきづらい。それなのに白鳥が「この事件は殺人だ。」と断言した時は鳥肌が立った。

 

本書はあまりに有名すぎて犯人が誰か知っている人は多いと思います。

しかし、それでも白鳥にハラハラさせられ、田口に癒され、バチスタチームの未来に希望を抱ける。そんな素敵な小説です。

f:id:oomori662:20190426002302j:image