「わたし、定時で帰ります。」 朱野帰子
今春注目のドラマになりました。
吉高由里子の演技はずっと見ていられます。
主人公の東山結衣はどうしても残業したくない。
18時の定時を迎えるとささっと会社を出てタイムセールのビールを飲みに中華屋へ。
定時で帰ることを許さない様々な障害を乗り越えて、果たして彼女は定時で帰ることができるのだろうか⁉︎
と勢いをつけて書いてみたもののこの本のあらすじを書くのは難しい。タイトルが全てを物語っているからだ。
働き方改革が進んでいるとは言うものの残業をしないということはやる気が無いとなどと思われがちだろう。
僕は新人なので残業があった方が頼られた感があってありがたいが、定時で帰ることは決して悪いことでは無いと思う。
しかし、もし残業を断わったら出世できないかもと思ってしまうので東山結衣から見たら敵なのかもしれない。
本書では熱意ある人の書き方が上手く色んなタイプの人が東山結衣を苦しめる。
途中から東山結衣も頑張って定時で帰って欲しいというよくわからない気持ちになった。
自分の働き方を見つめ直すきっかけになったかな。
仕事の効率について深いとこまで書かれているので胸が痛くなることもあったが、誰しも一度は読んだ方がいい小説だと思えた。
一つだけ苦言があるとしたら東山結衣は仕事ができる女性で他の人が残業しないと終わらない仕事量をこなす人として描かれていることです。
同じ仕事量にも関わらず、残業をする人は残業代をもらえた上会社から評価されるのでしたら問題がある気がします。
逆にやるべきことをキチッとやっていたら残業しなくても問題は無い気がします。
一番会社にとって面倒をかけるのが、仕事量が少ない上に残業しない人ではないでしょうか。
どう注意しようか悩む上司の姿が目に浮かびます。
そういう人をテーマとして小説で取り扱い筆者の見解を示して欲しかったです。